型式:CF09


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スペック

マシンスペック
全長 / 全幅 / 全高 2700 mm / 1394 mm / 1115 mm
ホイールベース 1600mm
前/ 後トレッド 1200 mm / 1200mm
車重 240kg
最低地上高 50mm
フレーム スチールスペースフレーム(STKM)
カウル GFRP
エンジン HONDA PC37E (CBR600RR)
排気量 599 cc
サスペンション形式 不等長・非平行ダブルウィッシュボーン・プルロッド
ショックアブソーバー KOWA ZEST
タイヤ 180/510-13 BRIDGESTONE Bias
ブレーキ 前 2-アウトボード / 後 1-インボード/ キャリパー:Nissin
最大出力 55kw/11500rpm
最大トルク 59Nm/7000rpm
変速機 6速シーケンシャルMT
デファレンシャル F.C.C. ATV 用LSD




マシンコンセプト For the Stability  〜旋回性能の向上〜

  思い切ったブレーキングとアクセルワークを可能にし,乗りやすく攻められる,ドライバーにフィットしたレーシングカーを追及します。 挙動の乱れを最小限に抑え,安定感のある走行を目指します。


マシンの特徴

  来年度の大会に向けて,まず今年度大会の分析を行いました.

  アクセラレーション,スキッドパッド,オートクロス,エンデュランスのタイムを上位校と比較した結果,周回走行におけるコーナーでのタイム差が大きいことがわかりました.
さらに,ドライバーの意見によると『一次旋回におけるブレーキングが探り探りで,特に低速コーナーで車の向きが変わりにくく,アクセルを中途半端に開けている時間が長い. またコーナリングの限界も低く,二次旋回で安心してアクセルを踏めない』という意見がありました.そこでコーナーにおける旋回性能の向上に的を絞り,09 年度の車両製作を行います.




基本性能の向上

  コーナーでの旋回性能を向上させるためには足回りの強化が必須となります。 スタビライザーを導入しロール剛性を前後で変え,左右の荷重移動量の調整を可能とすることでセッティングの幅を広げます 。またコイルスプリング最適化,ショックのメンテナンスを行い安定性の向上をはかります。

  本年度はレギュレーションの変更によりフロントセクションが大きく変わります。 特に,フレームの大幅な設計変更を余儀なくされています。 十分な解析を行い,軽量かつ剛性のあるフレームを目指します。 また,昨年度はシフトによるタイムロスがみられたので“節度感のあるシフト”を目指し,シフト−クラッチ一体型のフロア式シフトを採用しタイムアップにつなげます。




信頼性の向上

  昨年度はウエットサンプを採用しておりましたが,潤滑不良によりエンジンの焼付きが起こっていました. エンジンの搭載位置を下げるため,オイルパンをカットし,バッフルプレートや蝶番による弁を取り付ける工夫を行っていました. しかしながら,一定以上のG がかかるとエンジンオイルの潤滑がうまくいかず,コンロッドのメタルが焼きついていました. 試走会などで想定以上の横G がかかると,焼付き,修理することを繰り返していました. エンジンの修理には多くの時間とお金を浪費し,チームに負担がかかりました.

  そのため,潤滑不良を無くすためにドライサンプ化を行います。 外部にオイルタンクを置きオイルを吸引することで,オイルパン内を負圧にしてエンジンオイルを潤滑させるシステムです。 これにより,どのコースでも安心して走行できるようになります。 また,余分なオイルがエンジン上部に溢れるのを防ぎ,重量の偏りを低減し,馬力を上げることができます。 さらに,オイルパンを小型化することができるのでエンジンの搭載位置を下げ,低重心化をはかることも可能です。




車両の評価

  今までは車両の評価をドライバーのフィーリングとタイム計測で行っていました。 必ずしも乗りやすい車が速いわけではなく,客観的な分析を必要としていました。 また設計時にはサスのストローク量やブレーキ圧,Gが必要となります。 今までは計算式や参考値でおおよその値を見積もり,繰り返し解析するという手法をとっていました。 さらに,旋回時におけるG と油圧の測定はエンジンオイルの潤滑にとっても重要な指針となります。
センサーにより必要な情報を測定し,車両にロガーを搭載することでデータ収集を行います。 集めたデータを分析し,設計,セッティングに活用します。